植栽基盤

当協会では植栽に伴う土壌条件の重要さに鑑み2002年から2年間に亘り山口県の土壌改良の指針を作るべく研究活動を行った。
その成果の一部をここに掲載する。
                   基礎編
                   応用編

土のいのち

自然界では,一握りの土の中に,地球の人口(約50億人)とほぼ同じくらいの数の微生物が生きていると何かで読んだことがある。

土壌の役割

植物にとって土壌は根を張り重い樹体を支える場であると同時に,根系を通して生長に必要な水分や養分を吸収する場である。したがって,緑化となる土壌は,建築物,土木物等の支持基盤対象となる土壌とは形態等が異なっているということできる。
土壌の役割を根の側面からみると次のようにななる。
① 根の自由な伸長が保証されている
植物の十分な生長は根がしっかり張ることである。根がよく伸長できる土壌は,空気,水分,養分をを適度に供給できる適度に軟らかい土層が地表から十分な深さと広がりをもつことが必要である。このように植物の根が十分にその機能を営むことのできる土層を有効土層という。
② 根に対して,持続的に空気を供給する
空気は根の呼吸に不可欠なばかりでなく,土壌中の生物活動やそれに伴う物質の変化,分解ならびに腐植形成等にも不可欠である。土壌の酸素消費を土壌呼吸という。特に滞水するような場合,根への酸素の供給はほとんど断たれ,根腐れを生じることになる。
③ 根に対して,持続的に水分を供給する
土壌水は土壌中の養分を溶解し,植物に与えている。また,土壌水の多寡が微生物の活動状態を支配している。 土壌中の固体粒子の間に土壌水と土壌空気が存在している。 したがって,土壌中の砂と粘土の割合(この割合を土性という)が適度な範囲にないと,水と空気の十分な供給に支障をきたし,樹木の生育に不良な条件となる。
④ 根に対して,持続的に養分を供給する
植物の生育に必要な元素のうち,炭素は炭酸ガス(CO2)の形で葉から吸収される。酸素(02)は呼吸作用で主に葉と根から吸収されるほか,水素とともに水として根から吸収される。その他の諸元素は土壌中でさまざまな形態の化合物として存在しているため,植物の根が吸収できる形態と吸収できない形態がある。一般的には水に溶ける形態のもの,薄い酸に溶ける形態のものおよびイオン化して土壌コロイド粒子の表面に吸着されているものは,根が吸収できる状態にあると考えて差し支えなく,こうした状態にある養分を土壌の有効態養分(可給態養分)という。
養分は人間の栄養と同じように,バランスがとれている必要がある。
なお,土壌中に有害物質を含んでいたり,塩類濃度(電気伝導度)が高かったり,土壌が還元していると,根に障害を起こし根の吸収力が低くなる。
⑤ 土壌生物活動を維持,促進している
植物の根は土壌のなかに適当な孔げきをつくり,また根の周辺に団粒構造をつくる一方,アミノ酸,糖類の分泌,古い細胞の枯死・分解等によって根圏の微生物を活性化させる。土壌に還元された生物の遺体は,土壌生物群によって分解されて一部は無機化合物となり,残りは腐植となる。
ミミズ,ヤスデ,オカグンゴムシ,ササラダニ等の土壌動物は,生物遺体や腐植等を食べて糞としながら土壌を獲拝し,膨軟化,団粒化等を促進して良好な土壌の発達に貢献する。細菌,菌類,藻類等の土壌微生物は,生物遺体の分解や腐植化,有機物の無機化等の作用に役立っている。
 
当協会では以上のような土の役割と、山口県の土壌の状況を考慮して以下の規準を推奨する。

有効土層の厚さ

樹    木
芝生
地被植物
育成目標樹高
高    木
低   木
12m以上
7m以上
7m未満
2m以上
1m未満
有効土層厚さ
150cm
100cm
80cm
60cm
60cm
20cm

植栽基盤の基準面積(独立植栽)

樹 木
芝生
地被植物
育成目標樹高
高 木
低 木
12m以上
7m以上
7m未満
2m以上
1m未満
一本当り基準面積
の直径
12m
10m
5m
2m
0.6m
植栽地の面積
群落植栽
基準面積
整備は直径の30~50%
100%
34~57
24~39
6~10
0.3

土壌分析

土質の変化が見られる所毎に試験 又は1000m2毎に実施
    ① 物理的分析法
          長谷川式簡易現場透水試験
          長谷川式土壌貫入試験
    ② 化学性
          簡易PH測定試験
          塩類濃度(EC)検査
   その他、指頭法など目視や実際に手での感触により、「土性」や有害物の有無や腐植の度合いを判定する。

土壌分析測定歩掛

1ヶ所当り3回の試験 平均値を確定する為
名称・規格
単位
数量
一般世話役
1.5
造園工
1
普通作業員
1
諸資材経費
労務費の10%

土壌改良計画

土壌改良に用いる改良剤の標準的混入量
 
土壌の
性質
改善項目 使用量(植え穴客土量に対する比率)%
有機系改良材 無機質系改良材

 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 


 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 




 
 
 




 
 
 



尿

 
 

























 
 
 
砂質系     15     20      
        10 20     2
中間系
マサ土
  10     10 5    
  15 5 10 5    
        10 5    
粘質系     10     15    
        5   15    
      10       10  
        5     10  
 
◎ 特に効果あり ○ 効果あり △ 場合によって効果あり